穏やかに輝く山田湾と、そこに生きる漁師の営みを守り続ける。
きらきらと輝く海面に浮かぶ、黄色のブイの列。カキやホタテの養殖いかだが並ぶその光景は、山田湾の復興のシンボルであり、力強く歩み続ける三陸やまだ漁業協同組合の象徴でもあります。
それぞれが70年以上の歴史を持つ、大浦、織笠、山田湾、大沢の4漁協が合併して誕生した、三陸やまだ漁業協同組合。特色ある地形を最大限に生かした、カキやホタテの養殖漁業が、わたしたちの屋台骨です。アワビやウニ、ワカメなどの採介藻漁業や定置網漁業も盛んで、バラエティに富んだ海産物を供給し続けています。
ごあいさつ
Message
組合員のなりわいを支え
一丸となって町の産業を盛り上げる
三陸やまだ漁業協同組合 代表理事組合長 菊地敏克
三陸やまだ漁業協同組合は、山田湾を囲む歴史ある4つの漁協(大浦、織笠、山田湾、大沢)が合併して、2009年に誕生しました。湾内で養殖されるカキやホタテ、ワカメをはじめとして、定置網で水揚げされるさまざまな旬の魚、季節限定のウニやアワビなど、バラエティに富んだ海産物が、私たち、三陸やまだ漁協の自慢です。
織笠に漁師の息子として生まれ、織笠漁協で20年間サケの孵化放流事業に携わった私は、山田の最盛期を歩んできました。サケが10万尾も遡上し、役職関係なくみんなで昼も夜もなく働いたことや、大漁旗を掲げたイカ釣り漁船が、何隻も連なって湾に戻ってくる、あの活気あふれる朝の光景は、今でも鮮明に思い出すことができます。
そんな山田の状況が一変したのは2011年のこと。東日本大震災では、多くの大切な仲間を失い、漁業施設も甚大な被害を受けました。組合員のたゆまぬ努力により、復興に向けて着実に歩を進めてまいりましたが、近年、地球規模の気候変動による、サケやサンマ、スルメイカの漁獲量減が続いています。また、漁業者の高齢化や後継者不足、新規参入者の定着率の低さなど、マンパワー維持の問題もあり、課題が山積している状況です。
漁業者の暮らしを守ることと併せ、町の産業の中核を担う責任のある当漁協は、ひとつひとつの課題と向き合い、解決に向けた取り組みを実施しています。磯焼け対策など漁場環境の改善、新規参入者獲得と定着に向けた施策の提案など、できることはすべて対応していく意気込みで取り組んでおります。
現在、山田の誇る海産物ラインアップに、新たな戦力として仲間入りを果たそうとしているのが、「オランダ島サーモン」です。令和4年度から試験養殖を開始しているこのトラウトサーモンは、「脂がのっていて臭みがなく、美味しい」と、市場での評価は上々。新たな山田ブランドの特産品として、漁協の安定収益確保だけでなく、地域経済の活性化へも期待がかかっています。
自然環境だけでなく、我々をとりまく市場環境も変化し続けていますが、「組合員のなりわいと生活を支えること」という、三陸やまだ漁協の最優先事項は変わりません。そのために、今後も安定的な経営を目指し、一丸となって努めてまいります。
- 菊地敏克
- Kikuchi Toshikatsu
- 1945年(昭和20年)生まれ。1964年、織笠漁協入組。鮭の孵化事業に長く携わる。2009年に三陸やまだ漁協総代、翌年に同理事・山田漁協連合会監事に就任。2011年から同漁協副組合長を12年間務め、2023年(令和5年)、三陸やまだ漁協代表理事組合長就任。
Summary
組合概要
団体名 | 三陸やまだ漁業協同組合 |
---|---|
代表 | 代表理事組合長 菊地敏克 |
設立 | 2009年(平成21年)10月1日 |
出資額 | 327,411,000円 |
取扱い高 | 3,682,850千円 |
役員 | 13名(理事10名、監事3名) |
組合員数 | 599名(正組合員 386名・准組合員 213名) |
職員数 | 22名(臨時職員1名含む) |
所在地 | 〒028-1332 岩手県下閉伊郡山田町中央町11番14号 |
事業内容 | 共済事業、購買事業、販売事業、利用事業、自営事業、指導事業 |
History
組合沿革
1949年(昭和24年)6月15日 | 山田湾漁業協同組合設立 |
---|---|
1949年(昭和24年)6月15日 | 山田町漁業協同組合設立 |
1949年(昭和24年)6月18日 | 織笠漁業協同組合設立 |
1949年(昭和24年)6月20日 | 大浦漁業協同組合設立 |
1949年(昭和24年)8月3日 | 大沢漁業協同組合設立 |
1970年(昭和45年)3月31日 | 山田湾漁業協同組合設立(旧山田湾漁協と旧山田町漁協が合併) |
2007年(平成19年)12月7日 | 山田湾漁業協同組合盛岡地方裁判所へ民事再生申立 |
2008年(平成20年)2月22日 | 再生計画開始決定(民事再生集結期間 : 10年間) |
2009年(平成21年)10月1日 | 三陸やまだ漁業協同組合設立(大浦、織笠、山田湾、大沢の4漁協が合併) |
Office
施設